「よいしょ。」
最近、立ち上がる時に「よいしょ」と言っている自分に気がつきました。
まだ30歳なのに。
そもそも「よいしょ」って、何歳から言っていいのでしょうか。
免許制でもないし、役所から「本日より使用可能です」という通知が来るわけでもありません。
気づいたら使っています。
ゆう
しかも不思議なのが、重い物を持つ時にも「よいしょ」。
立ち上がる時にも「よいしょ」。
座る時にまで「よいしょ」。
何も頑張っていないのに出る時すらあります。
そこで気になったのが、
「よいしょ」と言うことに、本当に意味はあるのかということ。
調べてみると、掛け声というのは意外と侮れないようです。
力を出す瞬間に声を出すことで、呼吸と動作のタイミングを合わせやすくなったり、力を発揮しやすくなったりすることがあります。
たしかに重量挙げやテニスなどでも、力を出す瞬間に声が出ています。
ということは、「よいしょ」は単なる老化現象ではなく、
身体を動かすための立派な掛け声なのかもしれません。
そして調べているうちに、さらに気になる話を見つけました。
「どっこいしょ」という言葉。
これにはなんと、仏教に由来するという説があるそうです。
まさか椅子から立ち上がるだけの話が、仏教まで行くとは思いませんでした。
その説に登場するのが、
「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」という言葉です。
六根とは、
眼・耳・鼻・舌・身・意。
見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、そして心。
人間が外の世界を感じ取るための六つの働きを指します。
「六根清浄」とは、それらを清らかにすること。
昔、山岳修行をする人たちが険しい山道を歩きながら、
「六根清浄、六根清浄……」
と唱えていたものが、長い年月の中で訛って、
「どっこいしょ」
になった、という説があるそうです。
六根清浄。
六根清浄。
どっこいしょ。
……本当だろうか。
だいぶ思い切った変化に感じます。
しかし、もし本当なら僕たちはソファから立ち上がるたびに、
知らず知らずのうちに修験者の掛け声を受け継いでいることになります。
「どっこいしょ」
本人はただテレビのリモコンを取りに行くだけです。
六根を清らかにする予定はありません。
そう考えると、これから「よいしょ」が出ても恥ずかしがる必要はなさそうです。
身体が動く準備をしているだけ。
そして「どっこいしょ」まで出たら、もしかすると心まで清めようとしているのかもしれません。
ただし、靴下を履くだけで「どっこいしょ」が出始めたら、
修行ではなく加齢を疑おうと思います。 |