「人と人」
今回の連休に静岡県の実家に里帰りをしました。
81歳になる母と会話をする中で、母の仕事に対する心得を聞く機会がありました。
今回はその時の事を書かせていただきたいと思います。
もう退職しましたが、母は以前、住友生命の営業として75歳位まで働いていました。
トップの営業成績で、本社からも表彰されるなど、第一線で活躍していました。
まだ新人の頃に、ある先輩から仕事の心得を教わったそうです。
それは「しつこく、あっさり」。
保険の売り込みで一軒一軒を訪問しても、最初の頃はほぼ断られてしまっていたとの事。
それでも諦めずに、何かにつけて訪れて挨拶をし、世間話をしたり、相談に乗ってあげたり、情報を提供してあげたりと、
契約に直接結びつかない内容でも、とにかく積極的に一人一人に会いに行ったんだそうです。
そして同じ人であっても、午前中、午後、夜と、訪問する時間帯を変えると、無愛想だった方が和やかに迎えてくれたりと、相手の反応が全く違う事もあったそうです。
その際気をつけていたのは、相手の反応が良くない時には、
「またの機会にお伺いしますね」と深追いはしない事。
先輩の教えをきちんと守っていたんですね。
そんな事を繰り返すうちに、
相手の方との間に信頼関係が生まれて、
何かにつけて頼ってくれたり、
会うのを楽しみにしてくれるようになっりと、結果として営業成績に反映されたとの事でした。
母の話を聞いていて、相手を変化させるには大変な労力が必要なんだなと、改めて感じました。
まず相手をよく観察する事。
何に興味や関心があるのか、
物事に対してどういう捉え方をするのか、
家族編成や交友関係などの生活環境、などなど。
その沢山の情報を得て、「その人」を知ろうとする事。
それから、こまめに顔を出したり、些細な贈り物をしたり、何かを手伝ってあげたりと、とにかく行動する事。
そうする事でその人自身からこちらに歩み寄って来てくれるまで、地道にそれをやり続ける事。
そうして築いた信頼関係は、
時にそのお客さん自体がスピーカーとなって、更にお客さんを呼んでくれたりもする。
そんなお客さんとの友好関係は、退職した今でも続いているんだそうです。
だから保険屋さんをしていなければ、
こんなに沢山の人達と知り合う事は出来なかったと、感慨深く話してくれたのが、特に印象的でした。
前回のコラムの韮崎市でのお互い様精神とも相まって、人との関わり方を改めて勉強させていただく良い機会となりました。
元々は仕事のテクニックとして、お客さんとセールスマンという関係の中で行なわれていた事。
でもそれをしているうちに、母とお客さんとの間にそれを越えた信頼関係が生まれたんだと思います。
「人と人」という向き合いの中でで生まれたもの。
それこそが人生を豊かにしてくれたり、
大切な財産にもなっていくんですね。 |